夢物語【完】
X'mas date
12月24日、今日はクリスマスイブ。
家のリビングには大きなツリーが飾ってあります。
最近は夕飯のときもクリスマス仕様のお皿を使って杏がクリスマスを待ち望んでいるのを見ているのが私の楽しみです。
「陽夏、準備できたか?」
「京ちゃん、ちょっと待って!杏、準備は出来た?!」
「ママ、あんずはここ」
「へ?!」
玄関から聞こえる声に自分一人だけがリビングに取り残されていることに気付いて慌てて玄関に向かうと案の定、呆れ顔が二つ並んでいました。
「ご、ごめんね?」
「いいの、いつもだから。ねぇ、はやくちあきのおうちいこう!」
この間3歳になった千秋くんこと、ちーくんがいる涼ちゃんの家に行きたくて仕方ない杏はようやく玄関にきた私の手を引いて早く行こうと急かします。
杏も7歳になり引っ張る力が強くなって、それはすごく頼もしく嬉しいことなんですが、大きなお腹をしてる私には下が全く見えず、少しの段差でも見えないとこけてしまっては赤ちゃんによくないので視線で京ちゃんに助けを求めます。
「杏、ママはお腹が大きくて下が見えないから強く引っ張ったりしちゃだめだって言っただろ?」
杏は引っ張っていた手を離し、私が持っている鞄を一旦床に置き、靴を目の前に置いてくれてた上に、靴を履きやすいように手まで差し出してくれます。
私はその手を掴み、ゆっくりと片方ずつ靴を履きます。
履き終えると鞄を取ってくれて、玄関を出るまで手を繋いで誘導してくれました。
「ありがとう。杏は素敵なお姉ちゃんになるね。お腹の子もちゃんと見てるよ」
杏がいればパパはいらないね、と付け足しそうになって寸前で口を閉じることが出来ましたが、これを万が一口に出すようなことがあれば、それはそれはご立腹になって口を利いてくれなくなるかもしれません。
「じゃあ、涼ちゃん家に行こうか!」
そう言うと杏は嬉しそうにスキップしながら歩きます。
私も涼ちゃんの家にお邪魔するときは同じようなテンションなので少し複雑な気分です。
話は変わりますが、なぜ涼ちゃんのおうちに向かうかと言うと、今日はクリスマスイブということで涼ちゃんに杏のお世話を頼んで京ちゃんと二人きりでデートをするんです。
妊娠中で大きなお腹をしていますが、安定期に入り、出産も三度目なので余裕をかまして少し遠出をすることにしたんです。
「りょうちゃん、きたよー!ちーく~~~~ん!!!」
家から5分の距離にある青山家の前に着くと、インターフォンを押す前に玄関の前で大きな声で涼ちゃんとちーくんの名を呼びます。
「ママー、あーちゃんきた~」
すると、お家の中からも杏と同じくらい大きな声が聞こえます。
きっと、ちーくんが待ちきれなくて玄関で待っていたんでしょう。
「はいはい。あ、こら千秋!靴下で玄関に降りたらあかんって言うたやんか!」
「めー」
「めーは千秋やろ!もう。ほら、杏ちゃん迎えてあげて」
涼ちゃんのママっぷりがドア越しに伝わってきて、どこのお家も同じなんだな~と思うと面白いです。
12月24日、今日はクリスマスイブ。
家のリビングには大きなツリーが飾ってあります。
最近は夕飯のときもクリスマス仕様のお皿を使って杏がクリスマスを待ち望んでいるのを見ているのが私の楽しみです。
「陽夏、準備できたか?」
「京ちゃん、ちょっと待って!杏、準備は出来た?!」
「ママ、あんずはここ」
「へ?!」
玄関から聞こえる声に自分一人だけがリビングに取り残されていることに気付いて慌てて玄関に向かうと案の定、呆れ顔が二つ並んでいました。
「ご、ごめんね?」
「いいの、いつもだから。ねぇ、はやくちあきのおうちいこう!」
この間3歳になった千秋くんこと、ちーくんがいる涼ちゃんの家に行きたくて仕方ない杏はようやく玄関にきた私の手を引いて早く行こうと急かします。
杏も7歳になり引っ張る力が強くなって、それはすごく頼もしく嬉しいことなんですが、大きなお腹をしてる私には下が全く見えず、少しの段差でも見えないとこけてしまっては赤ちゃんによくないので視線で京ちゃんに助けを求めます。
「杏、ママはお腹が大きくて下が見えないから強く引っ張ったりしちゃだめだって言っただろ?」
杏は引っ張っていた手を離し、私が持っている鞄を一旦床に置き、靴を目の前に置いてくれてた上に、靴を履きやすいように手まで差し出してくれます。
私はその手を掴み、ゆっくりと片方ずつ靴を履きます。
履き終えると鞄を取ってくれて、玄関を出るまで手を繋いで誘導してくれました。
「ありがとう。杏は素敵なお姉ちゃんになるね。お腹の子もちゃんと見てるよ」
杏がいればパパはいらないね、と付け足しそうになって寸前で口を閉じることが出来ましたが、これを万が一口に出すようなことがあれば、それはそれはご立腹になって口を利いてくれなくなるかもしれません。
「じゃあ、涼ちゃん家に行こうか!」
そう言うと杏は嬉しそうにスキップしながら歩きます。
私も涼ちゃんの家にお邪魔するときは同じようなテンションなので少し複雑な気分です。
話は変わりますが、なぜ涼ちゃんのおうちに向かうかと言うと、今日はクリスマスイブということで涼ちゃんに杏のお世話を頼んで京ちゃんと二人きりでデートをするんです。
妊娠中で大きなお腹をしていますが、安定期に入り、出産も三度目なので余裕をかまして少し遠出をすることにしたんです。
「りょうちゃん、きたよー!ちーく~~~~ん!!!」
家から5分の距離にある青山家の前に着くと、インターフォンを押す前に玄関の前で大きな声で涼ちゃんとちーくんの名を呼びます。
「ママー、あーちゃんきた~」
すると、お家の中からも杏と同じくらい大きな声が聞こえます。
きっと、ちーくんが待ちきれなくて玄関で待っていたんでしょう。
「はいはい。あ、こら千秋!靴下で玄関に降りたらあかんって言うたやんか!」
「めー」
「めーは千秋やろ!もう。ほら、杏ちゃん迎えてあげて」
涼ちゃんのママっぷりがドア越しに伝わってきて、どこのお家も同じなんだな~と思うと面白いです。