夢物語【完】
「・・・なにそれ」
あたしがぶすっとした声で返事をすると困ったように笑う。
「あたしがどんなけ高成を好きかわかってないなー」
呆れたように返事をすると口唇と頬にキスをくれた。
お互い数秒見つめて笑いあう。
涼介にヤキモチを妬いてくれたのは嬉しい。
でも涼介相手ってのがまたおかしい。
クスクス笑うと高成は真っ赤になって、それを見てまた笑うあたしに当たるようにキスをする。
それが楽しくて仕方ないあたしは笑いが止まりそうにない。
「涼、覚えてろよ」
「!?」
笑いすぎたらしいあたしは久々の裏高成を見て、固まった。
そこから先の話はあたし達だけの秘密。
大好きな高成に包まれて、温もりを感じて、幸せなバレンタインデーになった...と思う。
「た、高成!」
「・・・なに」
「誰か、多分、陽夏ちゃんら来たって!」
「ほっときゃいい」
「何ゆってんの!居留守ってわかって鳴らしてるってアレは!」
さっきから何回もなるインターフォン。
絶対面白がって鳴らしてるに違いない。
「高成ってば!」
「なに?」
「なにって、離してよ」
「何しに行くの?」
「何しにって出るの!」
「その格好で?」
「んなわけないでしょ?!」
素敵なバレンタインデー・・・になりました...?
→END