クールな同期と熱愛はじめ
◇◇◇
「へーい! いらっしゃーい! おっと、今日はふたり一緒? なになにデート? もしかして、ふたりはそういう関係?」
相変わらずのハイテンションで私たちを出迎えたのは、オアシスの間宮さんだ。
どこでご馳走させられるのかと不安だったけれど、ここなら安心だ。驚くほど高級な料理は出てこないだろう。
「違う」
間宮さんと対照的に低いテンションで桜木くんが答える。
まだ誰もいない店内。カウンターに並んで腰を下ろした。
「だって今日は日曜日。天気もよかったし、デート日和だったじゃないか。照れずに白状しちゃえよ!」
間宮さんは両手の人差し指を立て、ツンツンと突くような真似をしてみせた。顔にはからかいの色が滲んでいる。
「違うものは違うんだから仕方ないだろ。休み返上で仕事してきたんだよ」