クールな同期と熱愛はじめ
ついこの間、オアシスに引き抜かれてきたばかりだったのに。
「やっぱり前の店がいいって泣きつかれちゃってさ」
間宮さんは鼻の下を掻いた。
「残念。この前のカレーが食べたかったな」
つい本音が口からでてしまった。
「俺もそれを食べに来たんだけど」
桜木くんも残念そうだ。深いため息を漏らした。
「あ、そうだ。その店ってどこなんだ」
「どこって?」
「そこへ行けばいいんだ。教えてくれ」
「え、ちょ、ちょっと待ってくれよー。俺に会いにきたんじゃなくて、アジャンタのカレーを食べにきたのかよー。そんなのないじゃないか」
間宮さんが体をくねらせていじける。
そうされると、ちょっぴりかわいそうにも思えてくる。