クールな同期と熱愛はじめ
「この前行った店でさ、最高にファンキーなリゾットを食べてさ。ぜひうちに!とね」
桜木くんと私は顔を見合わせ、揃って苦笑いだった。
多国籍料理店と謳う理由がわかった気がしていた。
チーズリゾットとトマトリゾットをそれぞれ注文した私たちは、先にだしてもらったビールで「おつかれさまでした」とグラスを合わせた。
「あの、間宮さん、ずっと気になっていることがあるんですけど」
「えー? なにかなぁ? 俺のなにが知りたい? なんでも答えちゃうよ」
「あ、いえ、間宮さんのことじゃなくて、あれです」
ニコニコとしていた間宮さんは、ポカンとした表情で私の指先を辿っていった。
「……あぁ、あれ? 卓球台だよ」
「それはわかるんですけど、どうしてここにあるんですか?」
「俺が卓球好きだから」
それがどうかした?とでも言いたそうな顔だった。