クールな同期と熱愛はじめ
ずらっと並んだ料理の数々。取り皿を手に、吉井さんににこやかな笑みを向ける。
「それじゃ、そのタコサラダをお願いしようかな」
「はい!」
そう返事をしたときだった。なるべく目を向けないようにしていた方から「うざっ」という声が聞こえてきた。耳を疑う言葉だった。
目を鋭くさせて桜木くんを見ると、左手で頬杖を突き、呆れたような眼差しで私を見ていた。
「……なによ」
「うざいからうざいって言っただけ」
私から目を逸らして、斜め左へと流し目をする。
「な、なにが?」
「女子力だかなんだか知らないけど、それを必死でアピールしてる姿は、見てるだけで痛い」
「な、な、な……」
わなわなと唇が震える。