クールな同期と熱愛はじめ

「男からしてみたら、そんなのうざいだけ。な?吉井」


話を急に振られた吉井さんは、「えっ、いや、そんなこともないけど」と、若干しどろもどろになりながら私を見た。
美香たち女性陣の空気も凍る。


「なんだよ、司。せっかく楽しい場なんだから、雰囲気をぶち壊すようなことを言うなよー」


ムードメーカーの間宮さんが必死にフォローに入る。桜木くんの肩を結構強い力で叩くと、彼は「いてっ」と不満気に間宮さんを見た。

ほんと最悪だよ、桜木くん。


「悠里ちゃん、……って、勝手に名前で呼んじゃうけどいいかな」

「あ、はい……」

「俺にもタコサラダ、取ってほしいなぁ」


おねだりするように、間宮さんが取り皿を両手で私に差しだした。
その皿にサラダを盛り、間宮さんへと返す。


「そして、ちょっと早いけど、席替えターイム!」


彼は、声も高らかに宣言した。
多分、場の空気を変えようとしてのことだろう。

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