クールな同期と熱愛はじめ

そして、すかさず空になった吉井さんの取り皿に手を伸ばし、“気の利く女アピール”だ。
吉井さんは、「自分で取るからいいよ」なんて言うけれど、ここはそういうわけにはいかない。
桜木くんへのけん制の意味も込め、「取らせてください」と半分脅迫のようにすごんでしまった。慌ててスマイルスマイル。

合コンの予定が事前にわかっていれば、ネイルサロンに行ったのに。洋服だってパンツスタイルじゃなく、かわいさ満点のフレアスカートを準備できた。

そうだ。
それならば、胸元を少しだけ……。

きっちり上まで留めていたブラウスのボタンをふたつ外す。これで鎖骨の下あたりまで見えるだろう。谷間は、屈んだ拍子にでもチラ見せできたらよしとしよう。


「吉井さんは、休日はなにをしていますか?」

「休日? うーん、そうだなぁ……スポーツクラブでスカッシュをやったり、映画にいったりしてるかな」

「スカッシュなんてすごい! かっこいいですね! 私も体を動かすことは大好きなんです」


胸の前で手を組み、目をキラキラさせてみる。

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