クールな同期と熱愛はじめ
「わかってるよ。ただ、高梨氏の言い分はそうじゃないんだ。怪我の診断書まで取り付けてきたらしい」
「診断書!?」
つい大きな声になる。
「全治二週間だそうだ」
「そんなの嘘です! ただ壁に押し付けたくらいで、全治二週間だなんて!」
「まぁまぁ落ち着け」
テーブルにさらに体を乗り出した私を部長は手で制した。
落ち着いてなんかいられない。あまりにもひどい仕打ちだ。
「もしかして今日、桜木くんが会社に来ていないのは……」
「自宅待機だ」
「そんな! なにも悪いことなんかしていないのに!」
思わずテーブルを拳で叩いた。
部長もこれには目を見張る。
「仕方ないんだ。相手が訴えを起こすと言っている以上は。会社側としても桜木を悪いとは思っていない。形式上仕方なくなんだ」