クールな同期と熱愛はじめ
「あそこまで露骨に断られているのにわからないとか傑作だな」
ククッと肩を揺らした。
最低! もう本当に最低!
「化粧を直そうが髪を解こうが、デートに誘われることはないぞ」
「ひ、ひどい!」
脳天に強烈なストレートパンチをお見舞いされた気分だった。クラクラして眩暈を起こしそうになる。
「残念なことに、女が思うほど男は女子力ってやつに興味はない。しかも、あんなにわざとらしいアピールは、かえって逆効果だ。食べたいものは自分で取るし、必要以上に目を大きくして見つめられたって気持ち悪いだけだ。とにかく宇佐美のはあざとすぎる。正直うざい」
冷静な口調で淡々と説明されるにつれて、私の心はずたずたに切り裂かれていく。ダメージの限界は今にも超えそうだった。
それじゃ、いったいどうしたらよかったというのか。
仕事で適わない上、恋愛についても全否定されて、自分の存在価値すらないように思えてきた。