クールな同期と熱愛はじめ
でも、ここはもうちょっと嬉しそうにしてもいいんじゃないか。せめてニコッとくらいしてみろというものだ。
今回に限ったことではないけれど、まるで選ばれて当然のような態度を取られてカチンとくる。
横顔を恨めし気に見ていると、彼の端正な顔立ちが不意にこちらに向けられた。
形のいい薄い唇の口角が上がる。ニヤリという表現がぴったりの表情だった。私を馬鹿にしているような、そんな顔だ。
――悔しい! 本当にもう!
私は唇を噛み締めて、彼から目を逸らす以外に手段はなかった。なにかを言えば、負け犬の遠吠えになってしまうからだ。
拳をぎゅっと握りしめ、なんとか堪えた。