クールな同期と熱愛はじめ
同じ偶然なら、宝くじが当たるだとか、もっと別のことにしてくれたらいいのに。
「宇佐美は不法侵入か?」
「――違います。私もここに住んでるの」
私が強い口調で答えると、桜木くんはキョトンとしたような顔で固まった。
そして、「冗談はよせ」と鼻を鳴らす。
「冗談じゃないってば」
桜木くんにジョークを飛ばしている余裕は私にない。
「私はここの二〇七号室に住んでるの」
「……二〇七?」
彼の片方の眉がつり上がる。
「……桜木くんは?」
恐る恐る尋ねた。
「三〇七」
「――三〇七!? 私の上じゃない!」