クールな同期と熱愛はじめ

余計なことをしてくれたと思ったけれど、胡桃の言っていることは正しい。
苦手な相手だと遠ざかっていたら、落とすに落とせない。イコール、私は設計と“おさらば”。
それだけは阻止しなくては。


『少しは仲よくなれた?』

「それがね、聞いてよ、胡桃」

『どうしたの?』


桜木くんが私と同じマンションに住んでいること。
しかも、私の真上の部屋だということを話して聞かせた。

さっきの興奮がぶり返して、鼻息が荒くなってしまったことは許してほしい。
今も、この上には桜木くんがいるのだ。
不思議な感覚で天井を見上げた。


『すごいね、悠里』


胡桃が呑気に感心する。


『なんだか、付き合う運命にあるみたいな感じ』


嬉しいような悲しいような、複雑な心境だ。

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