クールな同期と熱愛はじめ
「……え?」
桜木くんは困ったような顔だった。
それもそうだ。高熱に苦しんでいるのに『ずるい』と不満をぶつけられたのだから。
「宇佐美はいつも肩肘張りすぎ。リラックスして周りをよく見た方がいい」
「べ、別に力なんて……」
なんとなく心当たりはあるものの、つい否定してしまう。へそ曲がりだ。
「とにかく、変な言いがかりは俺が回復してからにしてくれ」
「……ごめん」
ここは素直に謝ろう。
「それから、タオルを濡らしてきてもらってもいいか?」
「タオル?」
「体を拭きたい」
なるほど。
タオルの場所を教えてもらい、熱めのお湯で硬く絞ったタオルを持ってきた。