部長が彼になる5秒前

甘い一夜



部長と、
正式にお付き合いが始まって約3ヶ月。

ようやく私と部長の2連休が重なった。

「せっかくだから、旅行でも行くか?」

連休を前日に控えた夜、部長は電話でそう提案してきた。
部長との旅行……凄く心が惹かれるが、実は部長が連休明けに出張が入っていることを、私は知っていた。

「そう言って下さるのは、嬉しいです。
ただ、部長…連休明けに出張控えてますよね。ゆっくりして欲しいです。」

行きたいのも本心だが、彼の体調が気になるのも仕方ない。

それを聞いた部長は、拗ねたように

「朱里は模範解答しかしないな。
……一緒に居たいと思ってるのは、僕だけ?」

なんて甘い台詞を囁く。私は、耳から崩れ落ちそうになるのを堪えて、

「そんなことないです!一緒に居たいです。
でも私は、部長の体調も心配なので…。」
と即答する。

その返事を聞いた部長は、少し間を空けて衝撃の一言を投げかけてきた。


「じゃあ、僕の家に泊まれば良い。」

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