今度は日本を救います
「っ佐伯さん……」



「歩」



「えっ」



「歩って呼んで」



名前くらい……と思ったけど、好きなのかな、と意識し始めたら途端に恥ずかしくなった。


でも言うまで話を聞いてくれなさそうだし……



「歩っ、さん……」



「歩」



「あ、歩……」



「あー幸せ。これからはずっとそれね」



「え」



これからは名前を呼ぶ機会を減らそう。


正直もう言える気がしない。


っていうかいつまで抱きしめられたままなの?


背中に手を回すのは恥ずかしいし、もうとにかく恥ずかしい。


でも歩は離してくれることなく、逆に腕にもっと力を入れた。

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