今度は日本を救います
「今日学校で言ったことは本当か?」



「うん」



「そうか……」



どんどんしかめっ面になるお兄ちゃん。


言わなかったから怒ってるのかな……



「楓」



「は、はい」



「明日、魔法使い達がいなくなる」



「はっや」



1週間くらいいても良かったのに。


歩のやつ、少し時間かかっちゃうからその間の事も考えないと……


でも何で今それを?



「魔法使い達が帰るということはバンゲルも回収される。でも、楓は魔法が使えるだろ?」



「まぁそうだね」



「みんな魔法っていう非現実的なものに憧れがあっただろうから、きっとショックだと思う。だからみんなの前で魔法は出来るだけ使わないで欲しい。まさか喧嘩を売られるようなことはないだろうけど。……これは兄からじゃなくて、副会長としてのお願いだ」



ずっとお兄ちゃんと一緒にいた私なら分かる、ってくらい本当少しの変化だけど、いつもよりキリッと、副会長としての顔になっている。


副会長とかめんどくせー、って前言ってたけどなんだかんだちゃんとやるんじゃん。



「大丈夫。っていうかこっちに来てからは魔法は使わない予定だったから。ただ、それがちょっと遅くなっちゃっただけで」



「ん、ありがとな」



「いえいえ。私からも話があるんだけど─────」



「はぁ!?」



歩のやつを実行するためには家族を納得させなきゃいけなかったんだけど、結局最後まで反対し続けたのはお兄ちゃんだった。


心配しすぎ……

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