今度は日本を救います
問題は朝のSHRの後。


終わってすぐ女子達がみんなで私の机を囲った。


怖くて一瞬電気のバリアを作ろうかとすら思った。


どうしようかな、と思っていたら花奈が口を開いた。



「そんなに私たちのこと信用出来なかった?」



「最初はしてなかったけど今はしてる」



「……ごめん」



「えっ」



花奈を筆頭にみんなが頭を下げ始めた。


困っていると男子までこっちを向いてその場で頭を下げ始めた。


待って、恥ずかしいし、本当にやめて欲しいんだけど……


でも、言っても誰も顔を上げてくれないし、挙句の果てにはそのまま花奈が話し始めた。



「魔法を使えるなんて嬉しかったけど、みんな使えるなら特別じゃないって思った。でも、そんな中楓だけ使えなくて、私は選ばれた人間、とか勝手に思って調子乗ってたの。本当にごめん」



「私なんて悪口言ったのに、都合よく勉強を教えてもらうなんて最低だよね!!ほんっとごめん!!」



「あの時魔人から私達を守ってくれてありがとう」



「きっと楓ちゃんがいなかったら私達死んでたと思う」



「少し怖かったけど死ぬよりは何倍もマシ」



「本当にごめんなさい。そして、本当にありがとう」



ずっと、トラウマになったんじゃないか、嫌われたんじゃないか、また1人になるんじゃないか、って怖かったから、みんなの思っていることが聞けて嬉しかった。

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