今度は日本を救います
「昨日は本当にありがとう。そして、君を見放すような真似をしてごめん」



「いえ、あなた達には感謝しているのでどうってことありません」



芝山さんはニコッと笑ってあるものを取り出した。



「これは……」



「俺達の世界ではたくさん採れるんだ。こっちでは高く売れるって聞いたからこれからの事に役立ててよ」



私の手の上で輝く見たこともない大きさのダイヤモンド。



「いやいやいやいや!!受け取れませんってこんなの!!」



「佐伯と同棲するんでしょ?」



「っ……」



芝山さんがマイクの電源を切って言ったことは、昨日歩と話し合ったことだった。


私は、私が一人暮らしをして、そこに歩が住めばいい、という提案をした。


お父さんは弁護士でなかなか稼いでいらっしゃるので、元々一人暮らしをするなら費用は全部払ってくれる、という話だった。


全額、とはいかなくても多少援助してもらって、歩の食事とかは私がバイトすればいいかな、と思ってた。


でもこのダイヤモンドを売ったらそんな事をする必要はなくなる……


歩はこうなることを分かっててみんなに言ったんだろう。


いたずらが成功した悪ガキの顔してるし。


お金は気にしないで、って言ったのに……

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