今度は日本を救います
「我慢してね」



「何を……っわ」



「そこはきゃっとか言って欲しかったなぁ」



急にしゃがんだと思えば、お姫様抱っこをされた。


急にされて可愛い声なんて出なくない?


そう内心毒づいても体は正直でどんどん顔に熱が集まる。


それを見て佐伯さんがニヤニヤしてくるからすごい腹立つ。



「誘ってる?」



「そうですね!!一緒に2年A組の魔法使いのところに行こうと誘ってますね!!」



こんな至近距離で色気を出されて死にそうだ。


だから必死に誤魔化しているのだが、それを分かっている佐伯さんは余計ニヤニヤしながらも、昨日入った職員室の横の部屋にまでお姫様抱っこのまま連れて行ってくれた。


ここに来るまで、授業を終えて教室に戻る生徒達にたくさん見られた。


最初はイケメンがお姫様抱っこしていると騒いでいたのだが、私を見て一変、青ざめた。


そんなのが延々続き、職員室に入れば先生達が一斉に立ち上がった。


思わず拍手しそうになったよ。


特に担任の先生と保健の先生が慌てて近づいてきたが、佐伯さんが、魔法があります、と落ち着かせた。

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