今度は日本を救います
「魔法使い達も知ってる通り、俺達は異世界に行った。ただし、それはここじゃない」



あぁ、だから私を見て笑ったんだ……



「俺達が行った時には、魔王という、人々に恐れられているやつが倒された後だった」



時系列が合わないのは、帰る時に魔王を倒したお礼として、本来ならこっちの世界では2、3年経っていたところを、無理矢理合わせてもらったからだ。


私が救った世界では1年しか経ってないから、学校に通うにしても年齢が合わない、ということを考慮してだ。


まさかその後に来たなんてね……



「その時はみんな浮かれていて俺達が、何があったのか聞いても普通に教えてくれてさ」



私を見てニヤニヤしないで早く話せばいいのに。


きっと私が止めると思ってるのだろう。


でもこれからこの人達を殺すのにはバラした方がやりやすい。


黙っている私を見て、少し面白くなさそうな顔をしてから続きを話し始めた。



「“別の世界から来た月見里 楓様が魔王を倒してくれたの!!たくさんの魔法を使える、本当にすごい人だよ!!騎士団の2人と一緒に倒したんだ!!生き残ったのは楓様だけだけどね……” 小さい女の子が教えてくれたよ」



生徒達や魔法使い達から驚きの視線、魔人の楽しそうな視線、佐伯さんの心配する視線。


全部全部、うざい。

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