今宵の月のように
こんな時間に洗濯機を動かすのもあれだけど…彼がうるさそうなので、仕方なく洗濯機を動かして溜まっていた服を洗った。

洗濯機を動かしている間、流しにほったらかしになっている使用済みの食器を全て片付けた。

こんな時間に私は一体何をしているんだ…。

明日も仕事があると言うのに、何で大掃除をしなきゃならないんだ…。

洗った食器をカゴの中に入れると洗濯機の方へと足を向かわせた。

ハンガーに洗ったばかりの洗濯物をかけている間、次の服を洗濯機に放り投げるとまた動かした。

「すみません、通ってもいいですか?」

ハンガーにかけたばかりの洗濯物を片手に、リビングの掃除をしている彼に声をかけた。

「えっ…ああ、どうぞ」

彼はほうきとちりとり――どこにそれを片づけたのかは自分でも覚えがないのだが――を持って、リビングの床を掃いていた。

洗濯物を持って掃除したばかりのリビングを通ると、ベランダの窓を開けた。
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