今宵の月のように
「はあ、やっと終わった…」

ほぼ1日パソコンの画面とにらめっこをしていたせいで、目はショボショボしていて痛い。

気分は朝の時とは見事に打って変わっている。

――私、いつまでこんな生活を続けているのだろう?

ふと、私の頭の中でそんなことが思い浮かんだ。

華やかな都会生活に憧れて周りの反対を押し切って上京したはずなのに、実際は仕事ばかりの生活だ。

毎朝同じ時間に起きて会社に出かけて、夜遅くまで仕事をしては家に帰って死んだように眠る。

私が思い描いていた生活と違い過ぎるにも程がある。

「――もうヤだ…」

いつになったら、私はこの生活から解放されるのだろうか?

おしゃれなカフェでランチをして、タラレバをつまみに語りあいながら飲んで、女を磨いて素敵な彼氏をゲットする…はずだったのに、現実は残酷なくらいに違い過ぎる。
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