今宵の月のように
何が“めんどくさい”だよ。

だったら、やっぱり…と思ったけど、
「そうだとは絶対に限らないじゃん」

首を横に振って、たった今思ったことを否定した。

もし宮本さんがテロリスト集団の1人だとしたら、私は口止めとして彼に殺されてしまうのだろうか?

それは絶対に嫌だ…。

仕事を辞めて、やっと好きなことをし放題の生活に突入したと言うのに殺されるのはいくら何でもごめんだ。

「何とか見逃してもらえないだろうか…」

そう呟いて両手で頭を抱えたその時、洗濯機が止まった。

ハンガーに洗濯ものをかけると、それをベランダヘと持って行った。

「こう暑いとすぐに乾くかも知れないわね」

そう呟くと、窓を閉めてクーラーをつけた。
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