今宵の月のように
椅子から腰をあげて、ベランダの方へと歩み寄った。

窓を開けると、太陽が沈んで夜になったと言うのにまだ空気は暑いままだった。

夜空を見あげると、
「あー、新月か…」

今日は月が見えなかった。

ふと下の方に視線を向けると、そこに宮本さんがいた。

帰ってきた!

そう思って宮本さんに向かって手を振ろうとしたが、彼の隣に誰かがいることに気づいた。

「えっ、誰?」

宮本さんの隣にいたのは、人相が悪そうな男の人だった。

スキンヘッドで、頬には傷がついていて…まるで、ヤクザみたいだ。

宮本さんもどちらかと言うと身長が高いけど、隣に並んでいる彼の方が頭1個分と身長が高かった。

一体、誰なんだろう?
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