今宵の月のように
私に知られると困ることなのだろうか?

もしテロリスト集団の1人だったら、一般市民の私と言う存在は都合が悪いもんね。

そもそも、宮本さんがテロリスト集団の1人だとは限らない…と思いたい。

「また帰ってくるよね…」

私は呟くと、窓を閉めた。

夏の太陽の光をさえぎるようにレースのカーテンを閉めると、クーラーをつけた。

先ほどの涼しい風とは違う人工的な涼しい風を肌で感じながら、ソファーのうえに寝転がった。

「固いな…」

柔らかいマットレス素材が敷かれたベッドとは違い、ソファーはとても固かった。

こんなところで毎日寝てる宮本さんの躰は大丈夫だろうか?

寝にくくないのだろうか?

そんなことを思いながら、私は天井を見つめていた。
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