今宵の月のように
たった今決意したことを伝えるために、私は唇を開いた。

「――私、待ちます」

そう宣言をした私に、宮本さんは訳がわからないと言う顔をした。

「宮本さんが本当のことを話してくれるまで、待ちます」

もし宮本さんが本当に悪い人だったとしても、私はそんな彼を受け入れるだけだ。

「こより?」

宮本さんが驚いたと言うように、私の名前を呼んだ。

「事情があるから、本当のことを教えてくれないんですよね?

だから、待ちます。

あなたがどんな人だったとしても、私は受け入れますから…」

「こより…」

強く腕をひかれて、私は宮本さんの腕の中にいた。

「いつになるか、わからないぞ?」

そう聞いてきた宮本さんに、
「ずっと待ちますから…」

私は答えた。
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