今宵の月のように
彼は私の方に視線を向けると、
「今すぐ掃除をしろ!

俺はキレイ好きなんだよ!」

散らかり放題の部屋を指差して、怒鳴るように言ってきた。

「は、はいー!」

すぐさま、いつぶりかの部屋の掃除を始めた。

脱ぎ捨てた服を拾い集めて、それを洗濯機の中に…って、いっぱいでした。

服の洗濯に関してはまた今度やるとして、その隣に置いてある脱衣カゴの中に押し込むようにして置いた。

リビングに戻ると、
「ゴミ袋はどこだ?」

彼はそう聞いてきた。

「あ、はい…」

私は流しの下を開けると、そこからゴミ袋を取り出して彼に渡した。

「ここは俺が掃除する。

お前は洗濯とキッチンの掃除をしろ。

と言うか、何日掃除していないんだよ。

流しが使用済みの食器だらけでビックリしたぞ」

彼は私の手からゴミ袋を受け取ると、足元に散らかっているビールとチューハイの空き缶をそこに入れた。
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