再会チョコレート
「そんなにチョコ食べたいなら他の子にもらえばいいのに」
高学年になるとカイはモテた。運動も得意だし、高学年から通い始めた英会話教室で他校の女子に告白されたという噂もある。
何が不満なのか、私のセリフを聞いたカイはムッとした顔で踏ん反り返った。
「凛は分かってないな。チョコ食べないと死んじゃう病には、効くチョコと効かないチョコがあるんだよっ。凛のチョコはちょうどいいから注文してるの!」
「意味分からないっ。私はお菓子屋じゃないし。本気でその病気治したいなら薬剤師とかお医者さんにでも頼んだら?」
「現実的なこと言うのルール違反だぞっ」
「何のルール? って、いつまで続くのこの会話」
ツッコむのも飽き飽きした。ため息もほどほどにカイに背を向ける。
カイ本人の口から聞いたわけじゃないけど、こんな子供みたいな男子に告白した女子に本気で訊きたい。どこが良かったんだろ。まあ、友達としてはいいヤツなんだけどね……。