義理じゃないチョコ、あげます。
「でもさあ」
「んー」
「…なんであんなに嬉しそうなの」
「…同意」
…だよね。
……
「え、同意?」
「あー、やっぱなんでもない」
そう言いながら、アキが目で追うのは…
…これは。
あれですか、私の仲間ですか。
仲間意識があると、女は強くなるっていうのは本当だと思う。
「アキも可愛いとこあるんだね!」
「…うっさい」
「あはは」
なんだか嬉しくなった。
そこでつい、ヒロを目で追う。
…また、もらってる。
「あれ、見てたらさ、明日渡していいのか迷っちゃうよね」
「なんで?」
突然消極的になった私に、アキは首を傾げる。
「だって…あんなにあったら、私のあってもなくても一緒じゃない?」
私の発言に、アキは目を見開く。
そうして、深いため息。
「カナ、何言ってんの?」
「え?」
「ヒロは、カナのがほしいって言ったんだよ?カナのチョコもらって、喜ばないわけないじゃん」
アキはそう言って、笑う。