義理じゃないチョコ、あげます。
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お昼休み。
私は、課題を提出するために職員室に向かっていた。
あの先生、遅れると怖いからなあ…。
なんて考えながら。
ふと、窓の外に目を向ける。
そこにあるのは、広い中庭。
お弁当を食べている人も、ちらほらといる。
こんなに寒い中、よく外で食べるなあ…。
さらに歩くと、人はまばらになって。
体育館裏が、少し遠くに見えた。
「あ…ヒロだ」
視界の端に、見知った顔が映ったとき。
そこは、人があまり来ないような、体育館裏で。
それも、さらにここ以外からは死界になるような位置で。
よく考えれば、すぐにわかることだったのだから。
すぐに、逃げればよかったのに。
そうでなくとも、目をそらすだけでよかったのに。
「あ、れ…」
ヒロのそばに、誰かもう1人の影が、見えたと思った次の瞬間。
2人の影が、重なった。