義理じゃないチョコ、あげます。
でも。
ヒロはまた、優しげな顔。
「やっぱ俺、カナのことならどこいっても見つけられる気がするな」
また、笑う。
その顔を見て、なんだか肩の力が抜けた。
…ああ、そうだ。
私はこの顔に、何度も救われてきたんだ。
嬉しいときは、一緒に喜んでくれて。
怒ったときは、無理矢理にでも笑わせようとしてくれて。
悲しいときは、涙の跡を満面の笑顔にかえてくれた。
今の私にとって。
こんなに素敵だと思える人は。
きっと、どこを探してもここにしかいない。
気づいたら、頬が緩んでいた。
「…それ、本当に信じるよ?」
約1日ぶりに、お互いの目が合う。
ヒロは驚いた顔をして、それからとても嬉しそうに。
「おう!どこにいても見つけてやるよ!」
ニッと、いつもの笑顔を見せてくれた。