義理じゃないチョコ、あげます。
ハーフタイムは瞬く間に過ぎ、試合は後半に突入。
少し疲れが出てきたのか、第3クォーターでは相手チームにジリジリと追い詰められた。
そして第4クォーター。
どちらのチームも譲らず、点差は開きも縮まりもしない。
シュウくんは、あのスリーポイントで目をつけられ、思うように動けないし。
ヒロも、相手のより強固になったディフェンスに手こずっている。
そんな緊迫した場面、体育館の緊張感はMAXだ。
相手の攻撃となり、それぞれがディフェンスにつく。
残り時間はわずか。
これを決められると、こちらもかなり厳しくなる。
…でも、きっと。
そう思えるのは、
『カナ、見てろよ!』
ヒロのあの言葉があるから。
きっとヒロは、このままでなんか終わらせない。
そう信じてる。
そして、ヒロが動いた。
また、相手のボールを綺麗にカットすると。
すぐさま攻撃に転じ、ディフェンスをかわして進んで、味方へパス。
そこから放たれたボールが、綺麗に決まった。