義理じゃないチョコ、あげます。
私、義理じゃないチョコあげます。
試合の後。
興奮冷めやらぬ中で2人を待っていた。
話が止まらない中、選手が体育館から出てくる。
そこで、2人を見つけて合流した。
「もう、2人ともすごいよ…!!」
「ほんっと、いつの間に…!」
興奮する私たちに、2人とも照れながらも嬉しそう。
「ま、秘密の特訓…ってやつ?なあ、シュウ」
「…まあそんなところだ」
そう、ドヤ顔でいうあたり。
本当に、2人で頑張ってきたんだろうな、と思う。
「お疲れ様、おめでとう…!」
「うん、おめでとう!」
私たちからの祝福に、練習試合だけどな、なんて言いつつ。
2人とも、素直に喜んでくれた。
「それじゃ、はいこれ」
「え?アキ?」
「私からの、チョコ!まずカナとヒロね」
アキはそう言うと、パパッと私たちに渡してしまう。
あれ、でもこれ…帰りながら渡すんじゃなかったの?
お礼を言いつつ、戸惑っていると。
「ほらカナも!私とシュウのぶん!」
「え?…ああ、うん…!はいこれ、どうぞ!」
アキが急かすので、勢いでつい渡してしまう。