義理じゃないチョコ、あげます。
「で、カナどうする?」
珍しく我関せずで、黙々と食べていたアキが声をあげる。
本当に、食べるの好きだねえ…
半ば呆れつつ。
「んーでも、本当に行っていいの?」
「毎回何人か見に来たりするし、大丈夫だろ」
「そうなの?じゃあ、行こうかな」
こうして、アキと2人で練習試合に行くことが決まった。
「ふつうの試合以外で、見に行くの初めてじゃない?」
「うーん、そうかも」
ふつうの試合は、たしかに見に行ったことがあるし。
それを思い出して、つい顔がほころぶ。
「ヒロがかっこいいからってにやけてんじゃないわよ」
「んなっ!そんなんじゃないもん!」
どうしてそんなに人のことを見てるのか。
アキもシュウくんも、恐ろしい。
「ヒロー、カナとアキが練習試合来るってよー」
「お、マジ?」
シュウくんの声に、ぱっとこちらを見たヒロ。
嬉しそうに、こちらへ近づいてくる。