義理じゃないチョコ、あげます。
シュウくんの隣に立ったヒロは、シュウくんの肩に腕を回して。
「カナもアキも見に来てくれるんなら、頑張らねえとな!な、シュウ」
「おー」
「棒読みか」
「あははっ」
アキの間髪入れないツッコミに笑う。
温度差はあっても、なんだかんだ仲がいいのがこの2人なのだ。
「試合の後にチョコくれるらしいぞ」
「まじで?」
「ちょ、シュウくん!」
シュウくんは、涼しい顔で。
く、くやしい。
「チョコのために頑張れそうだな!」
「ああ、うん、頑張れ…」
「だからカナ、ちゃんと見とけよ!」
ニッと笑ったヒロは、そのまま私の頭に手を伸ばして。
「絶対勝つから!」
そう言うと、グシャグシャと乱暴に頭を撫でた。
放心状態の、私と。
「これで負けたらダサいね」
「それ面白そうだな」
冷静に楽しむ2人だった。