恋愛短編集 あの日の1ページ
14日と7日
「よっ、ほっ、もう少し...」
もう少し、もう少しで....
「ぷっ、だっせーの。そんなとこ届かねーのかよ。さすがチビだな」
後ろを振り返ると教室はいつの間にかオレンジ色に染まっていた。ドアにはいつものアイツがムカつく顔して寄りかかってる。
手から重力がすり抜ける。
「ったく、しゃーねーな。俺がやってや」
「バーカ、チビじゃないからやってもらわなくて結構ですぅ~」
取られた黒板消しを奪い返して黒板に向き直る。あとちょっとで一番上の文字が消せそうなのだ。
「はあ!?そこは素直に頼るとこだろ?可愛くねーな」
「こんな可愛い子目の前にしてよくそんなこと言えるね」
「...ひくわー」
ガチで引くアイツ。
「そんなガチで引かなくても言いじゃん!冗談でしょ!そもそもそういうことはかっこよくなってから言いなよ」
「こんなカッコイイ奴目の前にしてよくそんなこと言えるな」
「...現実逃避もほどほどにしなよ」
ガチで引く私。
「うるっせえな逃避じゃねえよ現実だろ!?大体なあ...」
相変わらずどーでもいいことで言い合いをする私たち。ギャーギャー言いながら掃除するから全然進まない。
「そもそもなんで掃除なんかしてんだよ、お前この1週間毎日じゃねーか。当番じゃないんだろ」
「まあ、そうだけど...その...」
言葉に詰まるとアイツ顔がグッと近づいてきた。
「まさか、お前また...!」
さっきまで笑ってた顔に急に真剣味が増す。
「...うん。課題2週間遅れで出した罰。」
「ブッ、アハハハハ、だっせーの。俺なんか1週間しか遅れなかったぞ」
私を指さしながら腹をかかえて笑うアイツ。
「たいしてかわんないじゃん!!」
「いーや、かわるね。俺の罰は音楽室の掃除3日間だったぜ」
「ほんとにかわんねーよ!」
私のツッコミ。
そんなこんなでやっと掃除も終わって、下校。帰りながらもやっぱり言い合い。
「お前、チビなうえに運動神経悪いよな」
「あんただって運動神経悪いでしょ」
「いーや俺は少なくともお前よりはマシだ」
「いやいやないでしょ」
「じゃあお前ん家まで先についたほうがいいってことで。よーいスタート!」
「はあ!?まて!!」
全力で走るも当然負ける。男子に勝てるわけがない。
「はぁ、はぁ、そもそも...女子と張り合うとか...はぁ、はぁ、どうかと思うけどね」
「はっ...はぁ、はぁ、負け犬の遠吠えだな。...じゃーな、提出期限守は守れよー!」
「アンタに言われたくないけどねー!」
背中を向けて手だけヒラヒラさせるアイツに叫んだ。まあ、次は提出期限守ってやってもいいかな。来た道を逆戻りするアイツの背中にそう思った。
もう少し、もう少しで....
「ぷっ、だっせーの。そんなとこ届かねーのかよ。さすがチビだな」
後ろを振り返ると教室はいつの間にかオレンジ色に染まっていた。ドアにはいつものアイツがムカつく顔して寄りかかってる。
手から重力がすり抜ける。
「ったく、しゃーねーな。俺がやってや」
「バーカ、チビじゃないからやってもらわなくて結構ですぅ~」
取られた黒板消しを奪い返して黒板に向き直る。あとちょっとで一番上の文字が消せそうなのだ。
「はあ!?そこは素直に頼るとこだろ?可愛くねーな」
「こんな可愛い子目の前にしてよくそんなこと言えるね」
「...ひくわー」
ガチで引くアイツ。
「そんなガチで引かなくても言いじゃん!冗談でしょ!そもそもそういうことはかっこよくなってから言いなよ」
「こんなカッコイイ奴目の前にしてよくそんなこと言えるな」
「...現実逃避もほどほどにしなよ」
ガチで引く私。
「うるっせえな逃避じゃねえよ現実だろ!?大体なあ...」
相変わらずどーでもいいことで言い合いをする私たち。ギャーギャー言いながら掃除するから全然進まない。
「そもそもなんで掃除なんかしてんだよ、お前この1週間毎日じゃねーか。当番じゃないんだろ」
「まあ、そうだけど...その...」
言葉に詰まるとアイツ顔がグッと近づいてきた。
「まさか、お前また...!」
さっきまで笑ってた顔に急に真剣味が増す。
「...うん。課題2週間遅れで出した罰。」
「ブッ、アハハハハ、だっせーの。俺なんか1週間しか遅れなかったぞ」
私を指さしながら腹をかかえて笑うアイツ。
「たいしてかわんないじゃん!!」
「いーや、かわるね。俺の罰は音楽室の掃除3日間だったぜ」
「ほんとにかわんねーよ!」
私のツッコミ。
そんなこんなでやっと掃除も終わって、下校。帰りながらもやっぱり言い合い。
「お前、チビなうえに運動神経悪いよな」
「あんただって運動神経悪いでしょ」
「いーや俺は少なくともお前よりはマシだ」
「いやいやないでしょ」
「じゃあお前ん家まで先についたほうがいいってことで。よーいスタート!」
「はあ!?まて!!」
全力で走るも当然負ける。男子に勝てるわけがない。
「はぁ、はぁ、そもそも...女子と張り合うとか...はぁ、はぁ、どうかと思うけどね」
「はっ...はぁ、はぁ、負け犬の遠吠えだな。...じゃーな、提出期限守は守れよー!」
「アンタに言われたくないけどねー!」
背中を向けて手だけヒラヒラさせるアイツに叫んだ。まあ、次は提出期限守ってやってもいいかな。来た道を逆戻りするアイツの背中にそう思った。