On The Bed Ⅱ 【短編】
亜由達が出ていってからしばらくも経たないうちに、本当に藤本はやってきた。

「先生、俺、腹が痛いです」

「なんか悪いもの食べたの?」

「いや、わかんないけど。腹がキリキリして痛いから、とにかく横になりたいんです」


「ひどいようなら病院行ったら?」

「うん、とにかく一時間様子見ます」

「隣のベッドでも寝てるから静かにしててね」

そう言って先生は私が寝ている隣のベッドのカーテンを開けて、藤本に寝るよう促した。


カーテン一枚隔てた向こう側に、姿は見えないけど人の気配を感じてしまう。


信じらんない、藤本がそこにいるなんて。胸がバクバクしちゃってもうやばい。

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