クールな課長とペットの私~ヒミツの同棲生活~
January~さよならのために2
「ごめんなさいね、お待たせしてしまって」
「いえ……」
次の土曜日、待ち合わせした喫茶店で三辺さんは時間ぴったりに現れた。それでも律儀に謝ってくるのは彼女らしい。
寒いからか厚手の毛皮つきコートを着込んだ三辺さんは、席に着くと店員さんにホットミルクを頼んで私と向きなおる。
「それで。智基とはちゃんと話し合えたかしら?」
「はい」
何も疚しいことはないから、三辺さんの目をまっすぐに見ることができた。何の後悔もないことを見てとったのか、彼女も微笑んでくれる。
「その様子なら、ちゃんと二人で結論を出せたようね。よかったわ」
「はい、三辺さんのおかげです。本当にありがとうございました」
ペコリと頭を下げると、三辺さんは「私は何もしてないわ」と謙遜するけれど、彼女が叱りつけて発破をかけてくれなければ、きっと勇気を出せなかった。あのままなし崩しに流されて、悲しい結末を招いたかもしれない。
だから、彼女にはいくら感謝してもし足りなかった。