クールな課長とペットの私~ヒミツの同棲生活~
January~最初で最後だから
曾おばあさまたちと葛城家をおいとました後、今日の待ち合わせ場所である駅前に行く……前に。なぜか、三辺さんにセレクトショップに連れてこられました。
「今までは遠慮してたけど、はっきり言うわね。今の格好じゃあダメよ。これからはもっときちんとした服が必要になるんだから、ここで揃えましょう」
「え、は……はい」
三辺さんの的確なアドバイスは胸に突き刺さる。確かに私は経済性優先で、安いものばかり身につけてたし、同じものを着回すことも多かった。
「……まぁ、あなたの事情は私も少しだけ聞いてるわ。だから、今すべてを揃えなくてもいいから。ちょっとずつアイテムを揃えましょう。無理ない範囲で……季節ごととか、1ヶ月に一点とか。ここの店長は私の友達だから、あなたには安くするよう伝えておくわ」
「それなら……大丈夫そうです」
三辺さんが提示した予算は、やりくりすれば何とか払える金額で。ほっと胸を撫で下ろした。
「そう、ならさっそく今日から揃えましょう。じゃあ一点目は……あのワンピースね」
三辺さんは私をフィッティングルームへ押し込むと、おすすめというワンピースを渡してきた。
「これと靴はこれね。あ、着替えたらすぐ見せてね。似合うメイクと髪型考えるから」
三辺さんがすごく楽しそうに見えたのは気のせい……だったのかもしれない。