クールな課長とペットの私~ヒミツの同棲生活~
January~Ti Amo
軽い食事の後、なるべく普段通りに振る舞った……つもりだったけれど。やっぱりどこかぎこちなくて、気まずい空気が流れた。
売店では好きなものを買ってやると言われたけど、私は無言で首をふり、富永先輩や三辺さんたちの為にお土産を選んだ。
妊婦さんである彼女たちには悪阻がある。空腹だと気持ち悪くなると聞いたから、すぐにつまめるヨーグルト味のお菓子や赤ちゃんに使えそうなアクセサリーを買った。
「おとうさん、これ欲しい!」
「お、キリンか~けど、こっちの方がかわいいぞ?」
仲良くぬいぐるみを選ぶ親子を見てしまって、辛くなり顔をそむけた。
うらやましい……なんて、思っちゃっいけない。自分には決して縁がない光景なんだから。そう自分に言い聞かせる。
(そう……私には会社の仲間がいるじゃない。こうしてお土産を選べるだけでもしあわせなんだ……)
今の今までそんな機会はなかった。今働いてる会社に入れただけでも幸運。それをしっかり活かさなきゃ……せっかく採用して頂けた恩をお返しするためにも。
(葛城さんとは……ただ仕事だけの繋がり……それでいい)
何度も好きと告げたのに、真剣にとりあってもらえなかった。そんな悲しい想いは早く忘れてしまおう。みんなのためにも……。