クールな課長とペットの私~ヒミツの同棲生活~



「あれ? まだ残ってるけど、食べないの?」


加藤さんが不思議そうな顔をして覗いた弁当箱には、まだかなりのおかずが残ってる。


……もったいないから食べなきゃ、と思うけど。なぜか食欲が出ない。 その上に最近は何だかやたら眠くて、今も寝落ちしないように懸命に目を開いてた。


「……すみません、加藤さん。食べかけで申し訳ないですけど……よかったら……」

「加納ちゃんの料理はウマイから、僕は別にいいけど……ホントにいいの?」

「はい……残すのはもったいないので」


私が正直に言っただけなのに、加藤さんは「そんな意味じゃないけどね」と苦笑いしておかずを食べ始めた。


そんな意味じゃない? もったいないから……以外に理由なんてあるのかな? と首をひねってると。彼から意外な言葉が出た。


「加納ちゃん、もしかして体調悪い?」

「え……特に体調は悪くないですけど」


風邪とか引いてはないし、1月にあった健康診断も異常は見られなかった。


ただ、春だからかやたらと眠くて仕方ないし、お腹も張るんだよね。夕方にはむくみもひどくなってる。


けど、春だから花粉症かもしれない……と気にせずにきた。


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