クールな課長とペットの私~ヒミツの同棲生活~
「……葛城課長のことが、好きなんですよね? でも……勇気が出ない。その気持ちはよくわかります……私も葛城課長が好きですから」
「加納さん……?」
困惑顔の晶子さんは、何を言い出したかと理解しきれない様子。それはそうだろうな、と私は微苦笑をする。
「晶子さん……私も、片想いなんです。確かにそばには居られますが……将来を約束した訳ではありません。だから……私はあなたと同じなんです」
ゆっくりゆっくりと語りかけていけば、ようやく内容を理解してくれたようで。晶子さんは躊躇いながら口を開いた。
「でも……それでも! あなたは葛城課長の一番間近にいるじゃないですか。私の方がずっとずっとあの人を好きなのに……ずるいですよ」
「……ごめんなさい……それは否定できないです。
でも……私はただ、葛城課長がしあわせになるためにお手伝いをしたいだけ。
だから……晶子さん。もう少し勇気を出して、葛城課長に告白をしてみてはどうですか?」
「えっ……」
まさか、私がそんな事を言うなんて思いもよらなかったんだろう。晶子さんは目を見開き、他の二人は呆気に取られてた。
「……葛城課長は……騒がしいことよりも、落ち着いた雰囲気が好きです。喫茶店辺りで二人きりで真剣に話せば、きっと耳を傾けてくれますよ」