クールな課長とペットの私~ヒミツの同棲生活~
「ご迷惑をおかけして、すみません」
「いいや、加藤が知らせてくれて助かった。このところ体調がよくなさそうに見えたから、気にかけていたが……仕事にかまけて気付くのが遅くなって済まなかった」
額に手を置いた葛城さんの手が、ひんやりとして気持ちいい。そこまで私を見ていてくれた……という事実に、胸が熱くなる。
「……ありがとう、ございます」
「いいや……これからは体調不良の時はきちんと言え。無理をして悪化しては元も子もない……やはり、熱があるな」
葛城さんの指摘通りに、さっき熱を計ったら37℃近い微熱があったけれども、風邪薬を飲むほどでないと考えた。
「大丈夫です。ちょっと横になっていればすぐに回復します……それより……葛城さんもきちんと休憩してください。まだお昼休みですよ」
「おれもここで休憩する。時間になったら戻るから心配するな……それより、なにか欲しい物はないか? 購買で買ってこよう」
「いえ、大丈夫です……少しだけ休みますね」
多忙な葛城さんをこれ以上煩わせたくなくて、気分の悪さを理由に目をつぶる。睡眠不足ではないのだけれど、あっという間に睡魔に意識がさらわれていった。