クールな課長とペットの私~ヒミツの同棲生活~
出社してきた三辺さんは体調不良が嘘のようにバリバリ働いていたけれど、時折気分が悪くなるのかつらそうな顔をしてた。でも、休むことなく働く姿勢はすごいと思う。
「あの、体は大丈夫ですか?これなら私がやりますから休まれては?」
「ありがとう。でも大丈夫。社会人だからあまり甘えてばかりはいられないもの」
確かに、三辺さんの的確な処理と判断でいつもより早く仕事が片付いていく。葛城課長の無茶振りも、涼しい顔で応えるなんて。どれだけレベルが高いんだろう。
聞けば、彼女は営業の外回りにも同行することがあるらしい。営業一課の課長が引き抜きたがるほど、彼女は有能だった。
仕事中の葛城課長との息もぴったり。阿吽の呼吸で大量の仕事をさばく姿はすごかった。
彼女の活躍で今日は残業なく終わることができて、加藤さん主催の歓迎会が駅前にある居酒屋で行われる。
私の歓迎会にしては人数が多すぎるな、とお座敷に揃った顔ぶれを見て疑問を持ったけれど。営業事務課に所属する二十人の他に、営業一課の面々や親しい人たちが揃った理由を、加藤さんから聞いて納得した。
「三辺さんは結婚退職するんだよ。だから、悪いけど君の歓迎会とともに三辺さんの送別会も兼ねさせてもらったから」