【短】セント·ミステイク ~高2編~
一瞬ポケッ…としてしまったが、港の目線が私が図書室に来る前からずっと持っていた水色の紙袋に注がれているのを見て、何の事か理解した。


さっきよりもずっと期待に満ちた目をしている港に“コレは違うよ”とか言ってやりたいけど、再び我慢。


「ハイ、港」


私が紙袋を差し出すと、港はすんごい嬉しそうに受け取った。


「サンキュー、小町!!」


「フフッ……そんなに嬉しいの?アンタ」


「そりゃバレンタインに彼女からチョコレート貰ったら、男は誰だって嬉しいっつーの!!」


そう。港の言った通り、今日はバレンタインデー。
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