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トントン、と肩を叩かれて私は飛び上がるように起き上がった。
どうやら本当に爆睡してしまっていたらしい。
「ご、ごめん、」
ここまで寝てしまっていたなんて。
長い間運転していた彼に申し訳なくなって
頭を下げる。
「いいよ、よく寝てたね、もうついたから行こうか」
「ありがとう」
寝ぼけ眼の私をくすくす笑いながら頭を優しく撫でてから、彼が降りて私のドアを開けてくれた。
それにまた申し訳なくなりながらも頭を下げて車を降りる。