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それが、俺の人生の中で最大の間違いで、最大の幸運だったと、今となっては思う。
突然現れた制服姿の俺に彼女は一瞬目を瞬かせたものの、すぐに愛らしい笑顔を浮かべると「お兄さんがこの公園を通ったあと、ちゃんと帰ってるよ」と答えた。
俺にはその意味が最初よくわからず、どういうことか質問すると
「お兄さんが来たらもう帰らなきゃいけない時間だっておもうんだ。せつね、ブランコがすきで真っ暗になっても気づかないみたいなの」
彼女は眉を八の字にして困ったように笑う。
「お兄さんも、ブランコすき?」
なんて答えようか迷った俺に気づいたのか、話を切り替えた彼女に、知らぬ間に俺は頷いていた。
「そっか、同じだね!お兄さんはいつも遅いけど学校?」
「部活帰りなんだ、君はいつも学校帰りずっとここにいるの?」
ずっとこの時間まで公園にいるとしたら、と考えると少し心配になってしまう。