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「セツナ、今度お祭りあるから一緒に行こうか?」


いつもと同じ優しい笑みを浮かべて、俺は彼女を誘き出した。

すっかり俺に懐いていたセツナは疑うことなく二つ返事で返してくれた。山奥にある小さな別荘を思い浮かべると、俺は笑みが止まらない。


そんな小汚い考えがその笑顔に隠されているとは知らずに、彼女は嬉しそうに笑う。楽しみだね、と。
何度も言った。

ほんの少しの罪悪感が俺を襲ったが、セツナがいつか俺から離れていくのを想像すると、そんなものは一瞬で消え去る。



セツナはもうすぐ中学生になる。

俺が見ていたランドセルを捨てて少しずつ大人になっていく。

俺の知らない彼女がどんどん増えていくんだろう。もう公園にだって来なくなるかもしれない。

そう考えただけで頭がおかしくなりそうだった。

セツナが中学生になれば、俺は高3になる。受験が近づけば今のように彼女と会えなくなるだろう。

チャンスは今しかなかった。




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