ハル
1

高校入学の朝、
僕は名表から自分の名前を探した。
何組だろう…誰と一緒だろう…。
中学から同じ高校に上がった親友は
誰一人いない。
名表の名前だけを見てどんなやつなのか
想像を膨らませるのに必死だった。
「1-B.....4.上岡舞子...5.榎本京佑...6.加賀渉.....」
あった。1-B 五番だ。
出席番号はいつもこの辺だった。
僕は教室に足を向け、席に着いた。
後ろのやつは名前からして男だろう。
そう考えて高校生活を共にする一人目の友達に
彼を選んだ。
加賀渉。地元も近くのスポーツ少年だった。
他にも友達は誰ができるんだろう…。
五番ってことは一番端の列か…。
など名表を見つつくだらないことを考えていた。
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